個人情報の開示請求における注意点

「役所たかひさ」のゆる~いブログ

今回は、個人情報の開示請求について考えてみたいと思います。

個人情報の開示請求は、行政機関が保有する本人の個人情報が記録された行政文書などを本人の請求により開示する制度です。

例えば本人が公立病院に入院していた時の診療録(カルテ)を退院したあとにその診療録(カルテ)の開示請求を行う場合などが該当します。

他にも介護認定を受ける時にどの程度介護が必要なのか調査した書類が作成されると思いますが、その書類を開示請求する場合や自分の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)や住民票を誰が請求したのかといった請求書類の開示請求も本人の情報が記録された行政文書に当たり本人の請求により開示請求の対象になります。

個人情報の開示請求とは別の制度で情報公開請求というものがあります。情報公開制度は、基本的に何人もその公的機関が保有する行政文書の公開を請求することができると定められているのが一般的で、誰でも公的機関が保有する行政文書を法律や条例の規定により情報公開請求をすることができます。

この情報公開請求により公開される行政文書は、誰に対しても同じ内容のものを公開することになっています。そのため、先ほど挙げた診療録(カルテ)や介護認定に係る行政文書、戸籍謄本・住民票の請求書に記録されている情報は、個人の情報であるため個人情報に係る部分などは非公開になると考えられます。

ここで注意しなければいけないのが、診療録(カルテ)や介護認定に係る行政文書、戸籍謄本・住民票の請求書を情報公開請求すると、そこに記録されている本人が請求した場合であっても誰に対しても同じ内容を公開するのが情報公開制度であるため、たとえ本人が請求しても公開されなくなってしまいますので請求する際は必ず「情報公開請求」ではなく「個人情報の開示請求」をしなければなりません。

個人情報の開示請求により開示される行政文書は、請求者本人の情報は開示の対象となりますが、その本人以外の人の個人情報が含まれていた場合、開示してよいかを慎重に検討したうえで開示するかを決定することになります。

ここで注意しなければならないこととして、国の機関や独立行政法人、都道府県や市区町村の機関それぞれに開示する根拠となる規定が法律や条例で微妙に異なる場合があります。同じ内容の開示請求をしてもその機関ごとに開示される内容が異なることが考えられます。

先ほどの病院の診療録の例で考えると、同じ内容の個人情報の開示請求を行ったとしても入院した病院によって開示される内容が異なると開示を受ける本人や家族にとってはなんかモヤモヤするかもしれませんね…