国家公務員(本省)と地方公務員(市役所)の職場の違い

「役所たかひさ」のゆる~いブログ

 私が両方の組織に所属して感じた職場の違いの中で、ここでは課の中の係などの組織の違いなどについて触れたいと思います。

 私がいた本省の部署は係長以下、私を含め係員3名でした。これは係員が多いほうで、課内でも係長1名に係員1名が普通の係、係長の下は誰もいないという係も複数ありました。

 また、私の所属していた課の話ではありませんが、係長というと○○係(ここで言う○○とは業務を指すことが多いと思います。例:企画係、総務係、業務係など)の係長というのが一般的だと思いますが、「無任所」係長というのがいたと聞いています。

 これは多分ある年齢に達すると係長にしないといけないが、係がないため仕方なくこうした係長がいたのだと私は思っています。

 このように確か30歳ぐらいだったと思いますが(キャリアが係長になるのはもっと早い)、ある年齢に達するとみんな概ね係長に昇進することになっていたようなので、20代の職員しか係員がいないことになり、その20代の職員の人数が少ないことにより係には係長1人しかいないということになるんだと思います。

 一方で市役所は、係長になるのは40代になってからというのが私の感じた印象なので、係長1名に係員が3名以上いる部署は珍しくなく、係として機能していたと思います。(本省の係が機能していなかったと言いたいわけではありませんが…)

 本省では、係長の上に課長補佐がおりましたが、さらに課長との間に○○専門官などの職位?がありましたので、複雑な構造でした。その点、市役所では、課長の下が係長なので、職位の階層が分かりやすかったと思います。(以前課長補佐や副主幹という役職の人がいた時もありましたが…)

 本省のことは30年以上前のことなので今どうなっているかは分かりませんが、私が勝手に思うには、今ではもっと人員が手薄になっているのではないか?と思っています。なぜかというと最近読んだ記事の中で国家公務員、特に本省勤務はブラックだというものを見かけるようになっているからかもしれません。私が実際に本省にいた時は、朝出勤したときに、洗面所で顔を洗って身支度を整えている職員や資料室のソファで寝ている職員、等々徹夜だったのかな?と思われる職員の姿を頻繁ではありませんが見かけていました。しかし市役所では台風などの災害時の動員を除いて日常の業務の中で徹夜だったのかな?と思われる職員の姿は病院職場などの一部特殊な部門を除いて一般の事務職職員では見かけたことはありませんでした。

 徹夜で仕事をする職場というのは、交代制勤務や昼夜逆転した職場などでは普通にあるとは思いますが、朝出勤して、夜には帰宅する職場で徹夜をする職員がいるというのは普通の職場とはなかなか言えないと私は思います。そう考えると今も昔と変わらずに徹夜せざるを得ない職員がいるとすればブラックと言われてもしょうがないのかなと思います。

 職場の違いとして他には地方公務員は国家公務員と比べると職住近接の職員が圧倒的に多いと思います。地方公務員の場合、基本的に異動が勤めている地方公共団体の中に限られることが大きいと思います。今は分かりませんが、国家公務員では私の当時の同僚職員が地方部局採用だったのに本省に異動になったという人もいて、逆に本省採用だった同僚職員で地方に異動になった人もいました。国家公務員は全国どこに異動になるか分からないので遠いところに異動になると職場も住居も両方とも変わる職員が多くなり地方公務員に比べると家族を持ち住居が持ち家の場合、家族と一緒の住居での職住近接は難しいのかなと思います。(ただ、単身赴任がいいという方にとっては、今は分かりませんが当時は官舎が充実していた?ので住むところに困ることはなかったと思います。)

 同じ公務員でも国家公務員と地方公務員では、組織も文化も風土もかなり違うというのが私の印象で、どちらが良いかは人それぞれだと思います。

 これから公務員への就職を考えている人は、国家公務員と地方公務員それぞれのメリット・デメリットを考えて後悔しないよう自身のライフプランに合った職場を選ばれたら良いと思います。